05 日常時と非常時をフリーにするフェーズフリー
私たちは日常時に、災害などの非常時を思い描く事は難しい。
人は災害による被害を受けるかもしれないとわかっていても、その状況を常に思い描く事はできません。不確実な未来である非常時を想像する事は、通常の生活では難しいのです。実際に災害や事故が発生した時には、私たちの防災意識は一時的に高まります。しかし時間が経つと共に、非常時への準備は日々の生活に流されてしまい、具体的な行動にはつながりません。
また、たとえ非常時を具体的に想像でき、自分の家族の命や生活を守りたい、失いたくないと心から感じたとしても、備える行動にはなかなか結びつきません。なぜならば、私たちは普段の暮らしに必要なモノやサービスを優先して選ぶため、非常時にだけ役に立つものを備えることは、物理的にも金銭的にもハードルが高く、後回しになってしまうからです。すべての人が災害などの非常時に十分に備える事ができないのはこのような理由からです。
時が経つと薄れていく防災意識。
それに頼らない解決策が必要
非常時をイメージできないから
いざという時に守れない
日常時と非常時という2つのフェーズを取り払い、未来の命や生活を守るための考え方。
それがフェーズフリー。
災害が起きてしまう事や、遠い将来気候変動が進行してしまった非常時を日常生活の中で具体的に想像する事は難しい。ならば日常時と非常時という2つのフェーズで分けることをやめ、日常にあるもので非常時も快適にしていけばいい。その発想から生まれた考え方や取り組み、それがフェーズフリーです。ふだん身の回りにあるモノやサービスが、日常と非常時というフェーズからフリーになって、いつの間にか私たちの命や生活を守ってくれる。フェーズフリーなら、日常生活の中では想像できない非常時や、気候変動が進んだ不確実な未来に対しても、対応することが可能になるのです。
これまでは、非常時を想定してあらかじめ備えることを中心に取り組んできました。しかし、実際にはすべての被害予測に対して準備をすることは困難です。備えることは非常に重要ですが、それだけでは十分とは言えません。備えることが難しい状況でも、日常生活で使うモノやサービスが非常時にも役に立てば、安全かつ安心な生活を続けることができるのです。このように、フェーズフリーは予測できない未来からも私たちの命や暮らしを守ってくれる、新しい生き方なのです。
日常にあるものが非常時にも役立つフェーズフリーなら、
徐々に進行していく将来の気候変動にも対応できる
非常時をイメージできなくても
フェーズフリーで守られる
防災用品は普段はしまっていて非常時のみに使うもの。
「フェーズフリー」品なら日常で愛着を持って使っているものが
非常時にも役立つので、常に快適に心地よく活用できます。